大きな木


 
#まるさんぽ

日差しが夏。
クローバーが広がる小さな公園には
大きな木がある。
そこにできた木陰で一息つくのが日課。
ここだけは本当に涼しい。
犬たちもごろんと寝そべったり、
おやつを食べたりする。
青空に映える枝葉は、自由でとても美しい。

この町のどこを見渡しても、
こんな木はほとんどない。
住宅地の一角でも、道路脇の並木でも、
哀れなほど丸裸にされているか、容赦なく伐採されている。
枝が伸びたら邪魔だから?
折れたら危ないから?
木であることを否定する人間。
そこに植えたのは自分たちだったりするのに。

公園はもちろん、
歩道や交差点や駅前なんかにこんな木があれば、
木陰に人が集い暑さも随分違うだろう。
いつのまにか変わってしまった。
空き地には砂利やコンクリートを敷き詰め
草花には除草剤をまき、
夏がくる度に暑い暑いと嘆く人間。
エコカーに乗っていれば、
ごみの分別や削減をしていればいいと思っている人間。
初夏の風に揺れる木を見上げながら、
なんだか悲しくなった。